2005年09月30日

インターネット総合研究所(4741)のMSCB(その2)

 インターネット総合研究所(4741)が発行しているMSCBの未転換分に対する繰り上げ償還を発表した。(参考:前回記事
 繰り上げ償還の理由については藤原所長殿がコラムで語っていらっしゃるのでリンク先を見ていただきたい。

 その文章の中で、気になる一文があった。

「2.当社発行のMSCBの特徴と今回の銀行コミットメントラインについて」の中の、
「一方では、株式の希薄化懸念が浮上しました。前に述べたように今回のMSCBは、貸し株のないことから実際は、「売り圧力」は発生しない訳ですが、心理的な「買い抑止圧力」が顕在化したのではないかと考えております。」

と言うところである。
 が、自分は実際には貸し株を行っていたのではないかとの疑義を主張する。
 ・・・お手元の会社四季報の05年夏号と秋号のインターネット総合研究所の大株主欄をご覧いただきたい。夏号をもう捨ててしまったという方はこちらのIRニュースの大株主欄が参考になる。
 四季報夏号に掲載された大株主欄は4月30日時点となっており、筆頭株主は

藤 原 洋 45,338(23.7)

となっているのをご確認いただけると思う。
 が、秋号に掲載された7月30日時点での大株主欄では、筆頭株主は、

藤 原 洋 31,871(16.5)

となっている。
 すなわち、この3ヶ月間に藤原氏の保有株が約13500株減少していることになる。自分が調べた限りではこの間に株式売り出しや藤原所長の株式譲渡の情報はないのであるが・・・なお、この3ヶ月の間にMSCBの発行が発表(7月15日)されている。
 自分としては、この13500株、どこかに貸し出されているのではないかと考えるのである。んで、時期が時期だけに、それがMSCBの「転換促進」に使われると考えるのは自然のことだと思うがいかがだろうか。
 なお、貸出先がUBS AG London Branchかそれ以外かと言う点については関知しない。興味はあるけど。


(10月1日 追記)

 記事掲載後、株式掲示板にて、本記事で問題にした貸し株らしきものは、04年12月に発行したCBがらみの貸し株ではないかとのご指摘を頂いた(CBのプレスリリース)。それを受けて再度IRIのサイトを確認したところ、6月30日時点ですでに藤原所長の保有株式数が減少していることが確認できた(株式情報)。
 従って、この貸し株はスタンフィールドに対して行われた可能性が高く、今回のMSCBに関連した貸し株ではない可能性が高い。

 一方で、スタンフィールドが、6月20日に発表された業績下方修正を事前に知り、発表前に貸し株を売り抜け利益確定したんじゃないかという疑惑も浮かんだが、そちらについては本記事とは無関係なので深く考えないこととする。
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2005年09月18日

ソフマップ(2690)のMSCB

 13日(火)にソフマップ(2690)が総額5億円のMSCB発行を発表した。
 二部とはいえ東証上場企業なのだから、高々5億円の資金調達のためにわざわざCB発行をする必要があるのか?とも思うが、その辺は色々事情があるのだろう。

 当初転換価額は484円、下限転換価額は242円(当初転換価額の50%)、上限転換価額は726円(同150%)、毎月第3金曜日に修正があり、5日間(その週の月〜金曜日)の終値平均から10%ディスカウントされた価額に転換価額が修正される。
 この辺の条件は特に目新しいものではない。
 ただ、以下の文章が問題である。プレスリリースの9ページ目、(2)その他 の部分である。ここには、

「・・・また、本転換社債型新株予約権付社債の割当予定先であるUFJつばさ証券株式会社は、本転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権の権利行使の結果取得することとなる株式の数量の範囲内で行う当該株式と同一銘柄の売付け等以外の空売りを目的として、借株を行わないことになっております。」

とある。
 これを読み、「UFJつばさは貸し株の空売りを行わない」と単純に判断すると痛い目にあると考える。読めばすぐにわかるように、文中に例外規定が盛り込まれているのである。

 本文章を要約すると、自分は以下のようになると思う。
「UFJつばさ証券は、MSCBの転換により得られる株式数以上の空売りは行わないこととなっております。」

 ・・・要するに、UFJつばさはソフマップ株の空売りを行うと考えるべきである。ただし、MSCBの転換で得られる株式数の範囲内でではあるが。
 なお、ライブドアのMSCBの場合は、最終的な転換株式数は2億5000万株以上になったが、リーマン・ブラザーズが堀江社長から借りた株式数は5000万株弱であったことを考えると、プレスリリース中の「権利行使の結果取得することとなる株式の数量の範囲内で・・・」という縛りは何の意味もないと思われる。
 貸し株について何の言及もない一般的なMSCBと、今回のソフマップのような文言で「貸株を行わない」と言及しているMSCBの比較を下図に示してみた。
 要するに、な〜んにも変わらないと思えるのだが・・・?

mscb_2690_1.jpg

図 一般的なMSCBとソフマップのMSCBの比較に関する考察図


 それと、本MSCBについて誤解を招きかねない表現をしている部分がプレスリリース中にある。
 プレスリリース1ページ目最終段落である。
「・・・かつ転換価額修正条項により当初転換価額を越えて上方修正され、1株あたり利益の希薄化を抑制しつつ株主資本の増強を効率的に進めることができることが期待できるとともに、一方で当社株価が当初転換価額よりも下落した場合にはそれに伴って転換価額が下方修正されますが、将来において・・・」
 上記引用部分中に、説明不足から明確な嘘となっている部分が1ヶ所、説明不足から誤解を招くおそれがある部分が1ヶ所、それぞれある。どっちもソフマップ側には都合がいい方に行っているねぇ。
 この個所が株価に影響を与える可能性はほとんどないはと思うが、こういうの、いいのかねぇ。
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2005年09月03日

インターネット総合研究所(4741)のMSCB

 インターネット総合研究所(4741)(以下IRI)のMSCBについて、本家サイト閲覧者の方からお問い合わせを複数頂いたのでちょっと見解を述べてみる。

 本MSCBの発行額は110億円であり、IRIの時価総額が6〜700億円台をうろうろしていることを考えると、希薄化が激しいとはいえないと思う。
 また、転換価額修正条項の概要を下図に示す。下限転換価額(88,000円)は当初転換価額(176,000円)の50%、上限転換価額(228,800円)は当初転換価額の130%である。こちらも下限転換価額が著しく低いと言うことはなく、IT関連銘柄としては標準的であると思う。転換価額が毎週修正なのは少し気になるが・・・直前3日間のVWAP平均の10%引きに転換価額が決定されるというのは珍しくないところ。

mscb_4741_1.jpg
図 インターネット総合研究所が発行したMSCBの転換価額修正条項概要


 さて、自分が注目しているのは引き受け手がUBSという点である。
 UBSといえば、今年の春にフォーサイド(2330)が発行した500億円のMSCBを引き受けたところである。「貸株無し」を強調した感動的解説資料を発表し必死の宣伝活動をするもその後の株価が大変愉快なことになっている。本銘柄に関心をお持ちの方はご参照あれ。
 んで、今回のIRIのMSCBも、「貸株無し」の一文がプレスリリース中にある。このプレスリリースの下の方、

『(2)その他
当社の代表取締役である藤原洋と本新株予約権付社債の買取会社であるUBS AG London Branchとの間においては、当社普通株式を対象とする株券貸借取引に関する契約は、存在しておりません。』

という部分である。
 これにより、貸し株は行われないと判断している方もいるようである。

 が、私は少なくとも以下の方法を用いて、UBSは貸し株を借りることができると見ている。

1.いま(7月15日:発行発表日)は株券貸借契約を結んでいないが、これから結ぶ予定。
2.藤原代表取締役以外の大株主から貸し株を借りる。
3.実はLondon以外のUBSの支店(Branch)が藤原代表取締役から貸し株を借りちゃう。
4.UBSではなく提携している松井証券あたりが貸し株を借りる。

 個人的には3.が一番可能性が高いと見ているのだが、どうだろう?

 それと、株価が下がった場合は(繰り上げ償還を行い)銀行融資で対応するという話を藤原代表取締役が明言したと閲覧者の方より教えていただいたが、それはいままでの前例から見て考えにくいところである。IT系でMSCBの繰り上げ償還をやったところは、皆無だと思うが・・・?

 IXIを子会社化した影響についてはコメントを控えさせていただく・・・それ以前に営業CFがマイナス続きの点が目に付くのである。
posted by こみけ at 12:16| Comment(8) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする