2005年10月17日

フューチャーベンチャーキャピタル(8462)のMSCB

 12日に、フューチャーベンチャーキャピタル(8462)が総額10億円のMSCBを発表した。今回は、このMSCBにおいて興味深い条項を発見したので考察してみることとする。本MSCBのプレスリリースはこちら

 まず、本MSCBの引受先は、リーマン・ブラザーズである。また、発行総額10億円というのは、金額ベースではそれほど多額には見えないが、発行発表時の株式時価総額が40億円を下回ることを考えると、需給への影響は大きそうである。
 転換価額の修正日は毎月の最終営業日であり、第1回の修正日は11月30日となる。転換価額の修正は修正日当日を含む直前3営業日のVWAPを用いて行われ、3日間のVWAP平均値の92%、すなわち8%引きに転換価額は修正される。
 これを、11月30日を例に取り示すと、

修正後転換価額=(11月28日のVWAP+29日のVWAP+30日のVWAP)÷3×92%

となる。図示すると、下図のようになる。

2%をどう見るか
図 本MSCBの転換価額修正条項概要


 VWAP平均からのディスカウント率は8%と、一般的なディスカウント率である10%よりは小さくなっている。ディスカウント率を8%に定めた前例としては、フォーサイド(2330)が代表的であると思われるので、興味のある方はご参照願いたい。
 また、転換価額の算出にVWAPを用いる点、毎月修正である点は、転換価額下方修正を狙った売り崩しが発生しにくい条件であると言えそうである。
 まとめると、「発行額が時価総額から見て大きいのは株価に影響大、転換価額修正条項の内容は株価への影響やや小」というところか。


 さて、本MSCBで興味深いのは、社債権者(リーマン)側の選択による繰上償還条項がやたらと充実している点である。

 まず一つ目は、「1ヶ月前に通知することにより、繰上償還を受けることができる」と言う条項である(プレスリリースの8.(5)B (i))。
 これは、最近発行されているMSCBのほぼすべてに定められている条項である。もっとも、実際に行使されたのは先日ご紹介したドリームテクノロジーズ(4840)くらいであるが。

 次の(ii)はくせ者である。要約すると、
「月間VWAPが76,000円を下回った月にはMSCBの一部を繰上償還請求する権利を得る」
と言うことになるだろうか。こちらの条項は請求してから10営業日後に繰上償還と言うことになる。(i)よりも償還が行われるまでの期間が短いことに注目。資金効率の向上と、債務不履行のリスクを減少させる意図が込められていると見る。ただし、本条項で得られるのはあくまで一部の繰上償還請求権のみであり、引き受け手のリーマンとしては、本条項が発動されるような時は一括での繰上償還を望む可能性が高い。個人的には、本条項は用いられる可能性は極めて低いと見る。

 さて、自分がもっとも重要視しているのは(iii)である。本条項に該当した場合は、請求の翌営業日に繰上償還することが義務づけられている。これは相当に厳しいスケジュールであると言っていいのではないだろうか。
 以下で、本条項で繰上償還の権利を得る具体的な事例を見ていく。なお、以下の事例についてはあくまで管理人の推測であると言うことをあらかじめお断りする。

 (a)では、監理ポスト・整理ポストに入った場合が挙げられている。
 (b)では、MSCBの転換請求時に株券引き渡しが遅延した場合が挙げられている。
 (c)(d)では、フューチャーベンチャーキャピタル自身の合併、あるいは子会社の異動時等が挙げられている。
 (e)では、前置きの文章はよくわからないのだが転換価額が下落した場合と考えて良さそうである。
 (f)は、粉飾とかそういうのを警戒した文言と推測される。

 ・・・はっきりしたことが言えず申し訳ない_| ̄|○。

 んで、これらのうち注目すべきは(a)(e)(f)であると見る。
 (a)と(f)は実際上は極めて近いものとなりそうである。CB発行相手に対して虚偽になるようなことが公になれば、株式市場においても監理ポスト行きになる可能性は極めて高いと考えるところである。
 (e)については自分は転換価額が下限転換価額に張り付くようになった場合に発動されるのではないかと見ている。なお、よく似た繰上償還条項が昨年発行された関東つくば銀行(8338)のMSCBに記載されている(関東つくば銀第1回MSCBのプレスリリース)。

 さて、そもそもリーマンは何でこんな物々しい条項を作ったかであるが・・・自分はこの企業自身の信用ではなく、ドリームテクノロジーズの一連の騒ぎが原因だと思うのだよねぇ。資金回収を確実化に行うために、早期回収が図れる条項を作ったのだと思う。

 今、ドリームテクノロジーズが明日をも知れない身であるのは誰の目にも明らかであり、リーマンとしては、そういう万一の事態に備えただけなのではないかと見るところである。それとも何か潜んでいるのだろうか・・・?
posted by こみけ at 00:05| Comment(15) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こみけさんの分析どおりだと思います。
ドリテクの場合は、明日にでも民事再生申請され、裁判所から認定されれば、へたするとMSCB引き受け先はすでに一部渡している金の回収ができなくなります。CBは、株券より1段だけしか上の債務返済順位しかありませんから。MSCBの契約書も無効、株に転換しても株もただの切れ。投資側は、損金にもならない。貸し付け証文ではないですから。あくまで私募債権証書(CB)ですので。

これが、この条項で翌日請求ということは、民事再生申請しても、裁判所が認定するまで数日ありますから、この間に金策あるいは手形を切れということでしょうね。手形(不渡りになっても)でも手に入れば、損金として処理できる。債権回収順序ですが、金銭貸借での手形が1番です。会社経営するとわかりますが、金融機関は必ず手形を押さえておいてからお金を貸します。債務額確定の順序で1番を取るために。

直接金融の世界に、間接金融の世界の手法が入ってきたということは、もう末期症状。MSCB発行会社はこれから数年暗黒の状況でしょうね。まともに利益を上げないディーリングは意味をなさなくなりますね。
Posted by 胡桃 at 2005年10月17日 02:09
>胡桃 さん
 帝国データバンクの倒産速報を見ると、保全命令が民事再生法申請の当日中に出たりしますが、繰上償還請求に伴う償還は、保全命令をもすり抜け可能なのでしょうか?

 ドリームテクノロジーズのMSCBは繰上償還請求までの期日が5営業日でしたが、これでも長いとリーマン(と、おそらくは同業者)は判断したと言うことでしょうねぇ。あるいは、ドリームテクノロジーズの7億円の借金は、繰上償還に使われたのかも知れません。厳しい。

 さて、本条項が一般化しますと、株価低迷時には、繰上償還請求に備えて資金をプールしておかなければならないと言うことになってしまいます。MSCBの転換請求が来て、初めてその分の資金を自由に使えるという本末転倒な事態になってしまいそうあります。だったら新株予約権にすれば良いではないかと思えるところであります。
Posted by こみけ at 2005年10月17日 23:37
>こみけさん、
>保全命令が民事再生法申請の当日中に出たりしますが、繰上償還請求に伴う償還は、保全命令をもすり抜け可能なのでしょうか?

確実に会社の資産を確定するために弁護士は、申請(民事再生でも更正でも。)と同時に保全の仮執行を裁判所に申請しますね(仮執行ですので、翌日あたりに保全命令が早くてでる可能性があります。だからリーマンは5営業日でも厳しいと判断した。)これやらないと、在庫とか納品物品を納入業者がもって帰ってしまいまから。保全命令がでたら、いかなる債務もすり抜けることはできませんです。

大事なのは、繰上償還請求の実質償還を求めているわけでないです。債務金額を確定すること(CBで貸した金が返ってこなくても、損金は確定する。手形等の金融担保以外は、通常は債権者会議を経ないと確定しない。)と、債権整理で償還順位の上位を狙うのが繰上償還請求の契約条項だと思います。おお、それとMSCBの資金の裏の提供者(匿名組合員)との揉め事が放棄債権が確定すれば、すぐに解散できて後引かないですね。こう、こみけさんの疑問に答えていると、リーマンたちのスキームの立て方のすごさが見えてきた。

ドリームテクノロジーズの7億円の借金は、こみけさんのかかれている通り、確実に繰上償還用に借りたものでしょう。リーマンが指示した?。貸し手はリーマンが再生している商工ローン系か?借金の借り入れ先が分かればおもしろいでしょうね。でも、絶対に表に出ないでしょうね。

>さて、本条項が一般化しますと、株価低迷時には、繰上償還請求に備えて資金をプールしておかなければならないと言うことになってしまいます。

まったくそのとおりです。昔銀行が、企業に金かして、その一部を拘束定期預金にしたようなものです。実質金利がこれで数倍に上がるのですね。:-) そうそう、このリーマンのようなスキームが一般化すると、株式転換型私募債権ですと出資法とか利息法にひっかかりませんので、めちゃくちゃな裏金融と同じことが、表でできますね。貸し株条項という手法で株券を担保にしているわけですし。繰上償還を短期でやられると、高金利と変りないでしょう。...この間に一部株に転換して、売り抜けておくと元本保証の高金利貸し付けと変わりない。
Posted by 胡桃 at 2005年10月18日 00:43
こみけさん、胡桃さん

 債権返還順位など、いろいろと勉強させていただきました。
 
>さて、本条項が一般化しますと、・・・。だったら新株予約権にすれば良いではないかと思えるところであります。

 ぜひそうなってほしいですね。新株予約権だけなら、会社は業績をあげないと実行されてもらえなくなります。いい加減なことにある程度歯止めできそうです。計画的に株主を食い物にする会社が減りそうです。「機動的に資金調達:−)」は難しくなるけど・・・

 それに、株価へに影響も改善しそうですね。「新株予約権の実行を促すために貸し株する」なんて言えそうにないし。

Posted by 碁太郎 at 2005年10月18日 10:26
民事再生法の保全命令の実務についてですが、ある程度の規模の企業が申請する場合には、事前に代理人弁護士が裁判所と打ち合わせをして、保全命令を再生法の申請と同日に出してもらえるようにするのが一般的なようです。

一応、民事再生法は事業の再建が目的なので、保全命令が遅れると様々な債権者が勝手に「現物」を抑えてしまって事業の再建などできないという事態になるので、実務上はこういう「馴れ合い」が行われているようです。

いわゆる倒産法がらみでは、他にも論点はあると思います(偏頗弁済とか)が、随分触ってないので忘れてしまいました^^;;
Posted by 麒麟 at 2005年10月18日 12:59
儲けるために株式投資をしているはずなのに、なぜだか『倒産』に詳しくなってしまいそうです。とっても好きな話題だし、興味が尽きません。
健康おたくが病気に詳しくなるのと同じかも知れませんね(笑)。

Posted by yuragi at 2005年10月18日 21:49
 自分はこの辺の法務は全くわからないので大変勉強になります。

>胡桃さん
 自分は、倒産する前に1日でも早く返金を受けるのが本条項の目的と見ておりました。勉強になりました。
 MSCBに関する記事を書いていると、「こういう仕組みを編み出すのはすごい」と思う案件がいくつか出てくるのであります。
 先に考察したYOZANのMSCBもそうですし、また、上限・下限転換価額を事後決定するMSCB(フォーサイドなど)も感心したものであります。
 感心したのは、今回のMSCBに対してもであります。また、ドリームテクノロジーズ問題が発生したわずか10日後にそれに対応した条項をつけるスピードもすばらしいものであります。自分は、生み出されたそれらMSCBに対して考察するだけの立場であります。
 借金7億の件、胡桃さんもそう思われますか。とすると、今月から社員の皆様は給料遅配となるリスクが発生しますねぇ。資金繰りめちゃくちゃでしょうから・・・。

>碁太郎 さん
 MSCBで一番厄介なのは、最終的な転換株式数がいくらになるかが不明な点であります。ですので、代わりに新株予約権を使えば、株主から見たその辺の不安はなくなりますね。でも、企業としては得られる資金額が不明ですから、資金調達の手法としては嫌でしょうねぇ。
 貸し株については、新株予約権であっても問題なく行われると思います。「新株予約権の行使促進」と言う理由になるかと思います。

>麒麟 さん
 なるほど、民事再生法申請の裏ではそういう流れがあったのですか。確かに、即日保全命令を受けるところとそうでないところがありますね。

>yuragi さん
 おっしゃることは当ブログにもあてはまると思うところでありまして、私は元来バリュー株を狙っているのに、記事で紹介するのは割高株ばかりという不条理が発生している状態であります。
 本来、株式会社リズデールなどどうでも良かったはずなのですが机の上には登記簿があったりしますし、ドリームテクノロジーズについては、ひょっとしたら平成電電による投げ売りを真っ先に報じてしまったかも知れません。
 何でこんなことになってしまったのでしょうか(笑)。
Posted by こみけ at 2005年10月19日 00:24
>こみけさん、
>自分は、倒産する前に1日でも早く返金を受けるのが本条項の目的と見ておりました。

倒産という状況になるには、手形あるいは小切手が2度不渡りになるか、債務者が裁判所に破産申告して受理されない限り、倒産はしないです。詳しくは麒麟さんが詳しいと思いますが。

ですので、私のように会社を縮小するケースでは銀行借り入れ(手形を銀行に差し出しています。返済がとまって銀行がダメと判断した段階で、手形が執行されーー預金がなくってもーー引き落としが出来ないということで不渡りになります。:-))をすべてなくし、普通口座と現金取引だけに絞れば倒産はなく、自分で廃業行為を行わない限り会社存続できるのです。

>今月から社員の皆様は給料遅配となるリスクが発生しますねぇ。資金繰りめちゃくちゃでしょうから・・・。

いえいえ、社長が自分の身銭を切って、あるいは再度借り入れをし、会社に役員貸付(そうそう、YOZANでのライブドア証券の転換に用いたお金は、ライブドアの宮内氏が会社に貸し付けている。金額も彼らからみたら、たいした額でない。)で貸せば、支払えます。債務の1番は、税金(国税と、地方税は同格なんで、税務署と県や市の税務課とで競争。:-))、2番は給料となっています。実際は、従業員をだまして給料遅配をしますが。遅配時点で、従業員は給料の保全に走る(仮差し押さえ申請)のが正解。某大学(中国人留学生が多かった大学)で給料問題がありましたが、こみけさん、やばいとおもったらすぐに自分の給料分の保全のために仮差し押さえ申請に走りましょう。;-)

あと、まじにバリュー株という面でMSCBをみると、このように変な条項が多いディーリングの株はやばいということと、ライブドアで始まった初期のMSCB銘柄は株価的にベターな方と判断するという指標じゃないでしょうか。あと、大量保有情報からどのMSCBがいいかどうか判断できるとか。

P.S. メールアドを設定しましたので、こみけさんの立場での年金についてご質問があればいつでも。:-)

Posted by 胡桃 at 2005年10月19日 01:57
すみません。簡単な訂正。↑で、「債務者が裁判所へ」は、「債権者が裁判所へ」の誤りです。
Posted by 胡桃 at 2005年10月19日 09:35
>本来、株式会社リズデールなどどうでも良かったはずなのですが机の上には登記簿があったりしますし

これ、そうとうに笑わせていただきますた。
「買ってはいけない銘柄」を買ってしまわないためにパワーを割くのか、あるいは「買うべき銘柄」探しにパワーを割くのか。
明らかに後者が王道ですよね。
でも、前者も興味深いんですよ。
なんだか、人間臭くて・・・。

Posted by yuragi at 2005年10月19日 23:55
>胡桃 さん
 自分としては、MSCBの引き受け手は特別な地位にあり、民事再生法申請の数日前には何らかの手段で情報を得られるのではないかと思ったりしておりました。
 給料遅配の話は、もはや漫画「カバチタレ」の世界ですねぇ。とりあえず、いざとなったらやってみようと思います。

 MSCBの繰上償還条項は、アソシエント・テクノロジーの粉飾決算事件を教訓として、昨年末頃から導入されることが多くなりました。ちなみに、アソシエントの場合は繰上償還条項がなかったので、取締役会でMSCBの買入消却決議を行い償還しました。

↓MSCBのプレスリリース
http://www.associant.jp/at/irpdf/cb20040818.pdf
↓買入消却のプレスリリース
http://www.associant.jp/at/irpdf/20041022.pdf

 そして、今回のドリームテクノロジーズの一件を受け、さらなる繰上償還条項が導入されたと考えております。
 ですので、繰上償還条項が株価に直接影響するとは考えてはいないところであります。もちろん、心理的影響は否定しないところであります。

 なお、ライブドアのMSCBは他のMSCBと違い、堀江社長がリーマン・ブラザーズに貸し株を行うことをプレスリリースに明示していておりました。この点は評価できると考えております。
 その後、ライブドア証券が関わっているMSCBについてもこの方針が踏襲されているようで、この点は評価できると考えております。

 ちなみに、私がMSCBの善し悪し?を判断する場合は、下限転換価額がBPSの何倍か、と言う点を基準とすることが多くなっております。
Posted by こみけ at 2005年10月20日 00:33
>yuragiさん、
>「買ってはいけない銘柄」を買ってしまわないためにパワーを割くのか、あるいは「買うべき銘柄」探しにパワーを割くのか。
>明らかに後者が王道ですよね。

オールドバリュー株ですとその通りですが、新興、特に子会社や関連会社を上場させる一見HD形式の会社の系列では、「買ってはいけない銘柄」を買わないというのが大事だと思います。よほど、ディトレで腐った果実ほど美味しい味を、味あわない限り。:−)このごろのお金の本やOB,CB,WBS,CNBCは、この腐った果実の話ばっかですね。:-)
これからの日本の株式市場は少しづつ上昇ですから王道は変わったと思いますが。

>こみけさん
>自分としては、MSCBの引き受け手は特別な地位にあり、民事再生法申請の数日前には何らかの手段で情報を得られるのではないかと思ったりしておりました。

経営者からみれば、MSCBは屈辱の資金調達ですよ。ですので、民事再生とか会社更生の時は、引き受け手に黙って行動だと思います。MSCBを会社を放棄するつもりで最後の自己実現の手段と考え、ニタニタと笑っている経営者以外は。MSCBの新しい形態がGSとインプレスによりでましたね。銀行のコミットメントラインとはかっこいい横文字ですが、端的にいって当座貸越枠?じゃないの?とおもったりします。ただ、昔のように銀行1行の主バンクといかないので、昔の海外投資の時と同じようにシンジケートを組んで、これをレバレッジに株による直接金融という話でしょうか。だんだん、年寄りの素人にはわかりにくいスキームの資金調達が増えていますね。これの良し悪しを判断して見て行かないと、企業価値とか企業グループ価値はわからなくなると思われます。

P.S. いま持ち株でしこっているので:-)、文春新書の藤原総一郎著「企業再生とM&Aのすべて」を板見ながら少しづつ読んでいます。これによると、企業破産(倒産ではない。)での資産弁済・配分順位は、税金と賃金・退職金が同じ順位でした。税務署に負けずに先に裁判所に仮申請で駆け込みましょう。:-)来年4月からは新会社法でしょう。実務零細企業経営経験がどれほど役に立つか。
Posted by 胡桃 at 2005年10月20日 03:29
私などは、株式投資を行おうと考えているうちに海外に行くことになり、結局見つけたバリュー株もそのまま放置してしまい、機を逸してしまっています。

さて、倒産の場合(民事再生や会社更生も含む)ですが、会社内では経営陣と、経理・法務などのごく一部の実務部隊しか申請の検討自体知らないことが普通だと思います。仮に抜け駆け的に回収することが出来たとしても、申請前一定期間の回収債権は、保全管理人なり管財人なりから返還請求を受けることになります。法的には。

とはいえ、やはり現金・手形なり高価な製品なりを押さえてしまう方が強いのも事実です。返還請求を実現するためには最終的に訴訟が必要となるのですが、手間がかかるので余程の金額でないと割に合いません。したがって、返還を取引材料にして、残余財産の配分で有利な条件を引き出すということが現実には行われます。(だいぶ脱線しました^^;)

結局のところ、MSCBの引き受け手がどうしてこうした細々した条項を入れるかというと、分かっているリスクは全部書き込むというアメリカ式の契約文化から来ているのではないでしょうか。(分かっているのに明確に書いていない場合には、不利益を受ける側がその不利益を甘受する意図だったと判断されるため。)

債権者の権利確保という面があるのはもちろんなのですが、企業法務の立場から見ると、数十億円程度の案件ならともかく、金額が大きくなってくると、取締役が株主代表訴訟にさらされるリスクが大きくなるので、そのあたりも見据えた契約条項かなとも思います。
Posted by 麒麟 at 2005年10月20日 04:53
>yuragi さん
 自分がMSCBについていろいろ考察しているのも、本来は買うべきでない銘柄をつかんでしまうのを回避する防御目的であります。
 ですので、買うべきでないと判断したらあとは捨てておけばいいところなのですが、よく調べるといろいろ面白いところが見えてきます。
 MSCBの転換価額修正条項を発行時期毎に時系列で見ていくと、引き受け手の皆様がいかに稼ごうとに努力し、かつはめ込みをかけようとしていたかの歴史がまざまざと浮かび上がるのであります。

 また、当ブログで「ネタ銘柄」と分類するような銘柄については、プレスリリース、財務諸表等様々な側面からその企業の内情が伺え、実に面白いものであると考えております。
Posted by こみけ at 2005年10月20日 13:18
>胡桃 さん
 インプレスの新株予約権については週末にでも記事を書こうと思います。ご紹介ありがとうございました。

 この新株予約権を要約すると、「払込資金後払いのMSCB」と言うことになるかと思います。先払いしたくないゴールドマンと、100億きっちり欲しいインプレスの妥協の産物と見ております。
 さらに、警戒すべきは新株予約権の行使が分散され、一々プレスリリースで発表されると言う点であります。ある意味、10億のMSCBを10回発行するようなイメージになるかと思います。株価揺さぶられますねぇ。

>麒麟 さん
 う〜む、債権回収のお話は「ナニワ金融道」の世界そのままですねぇ。実際にあったお話が元と聞いておりますから、その通りなのでしょうが。
 繰上償還条項の件につきましては同意いたします。緊急避難が目的だとは思いますが、最近どんどん物々しくなっていますねぇ。
Posted by こみけ at 2005年10月20日 22:27
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