2005年10月02日

ドリームテクノロジーズ(4840)のMSCBと新株予約権(新株予約権編)

 前回は、ドリームテクノロジーズが発行したMSCBに関する考察を行った。今回は、そのMSCBの発行額を減額する代わる資金調達手段として用いることにした新株予約権について考察を行うことにする。

〜終値3日平均から10%ディスカウント 概要〜


 新株予約権は、CBとは異なり、あらかじめ決められた株式数(今回は85,000株)を買うことができる権利、すなわち、コールオプションである。んで、発行総額300万円というのは、その85,000株を買う権利を総額300万円でドリームテクノロジーズが売り、メリルリンチが買ったと言うことである。1株あたりでは35.3円である。
 困ったことに、本新株予約権では、いったいいくらで株を買うことができるのか(行使価額)と言う肝心なところが決まっていない、と言うか、株式市場の動向によってその時々で決めるというお話になっているのである。その行使価額の決め方が記されているのが、行使価額修正条項(プレスリリースのU.10.)である。
 本新株予約権の行使価額修正条項の概要を図示すると図2−1の通りとなる。
 すなわち、行使請求期間初日である10月18日以降の全期間を通じて、終値3日平均の1割引の金額が、新株予約権の行使価額となる。先日発行されたMSCBのような、「希薄化抑制」の仕組みはなく、終値平均が26,222円を下回り、下限行使価額にならない限りは、行使価額は常に終値平均の1割引となる。また、終値平均が62,933円以上の場合、行使価額は上限行使価額に定められ、それ以上は上がらない。
 なお、行使価額は毎日修正されるため、一時的な株価の変動でも行使価額が下方修正され、株券と引き替えにドリームテクノロジーズが得る現金(増資資金)が小さくなる可能性がある。

基本的に1割引
図2−1 本新株予約権の行使価額修正条項概要

 要するに、

「ドリームテクノロジーズはメリルリンチに対して株式市場の株価よりも一割引のお値段でドリームテクノロジーズ株を買うことができる権利(コールオプション)を1株あたり35.3円で売った」

と言うことである(下限行使価額の場合を除く)。なお、株価よりも1割引ということは、単純計算で1株あたり2,622円以上の利ざやが乗ることになる。私に売ってくれれば良かったのに。

〜「希薄化抑制」はどこへ行った 考察〜


 MSCBの発行額削減及び本新株予約権の発行理由について、ドリームテクノロジーズは、

@MSCBを50億発行しても株価が下落しているので繰上償還することになりそう
A当面は20億円あればいい

の2点をプレスリリースにて挙げている。
 当ブログ的にはAはどうでもいい。問題は@である。

 ドリームテクノロジーズの株価はMSCB発行発表後に下落を続け、9月28日には一時40,000円を下回る水準まで下落していた。おそらくは、そういう状況下でメリルリンチがMSCBの全額(50億)引き受けに難色を示したのではあるまいか。あるいは、引き受けそのものから逃げようとしたかもしれない。下限転換価額(37,400円)割れすら伺う状況だったからねぇ。
 だが、ドリームテクノロジーズとしてはなんとしても資金が必要だったに違いない。そこで交渉の結果、「より行使価額が低い(←ここ重要)新株予約権」という形でなら資金調達に応じると言う結果になったと考えられる。なお、より転換価額が低いMSCBを発行するという案については最初から検討されなかったに違いあるまい。既存株主の皆様がものすごい勢いで怒り狂うのは明らかである。そこで、新株予約権の発行という形にすることで目先を変え、株価の動揺を抑えようとしているのだと考えられる。
 興味深いのは、なぜメリルリンチが20億とは言えMSCBの引き受けを行ったかである。そこであまり稼げない分を新株予約権で稼ぐ自信があるのか、それともすでに貸し株の空売りは相当数行っており、あとはMSCBを転換し現渡しをするだけなのか・・・いずれにしろ、メリルリンチはしっかり稼ぐ方策を立てた上でMSCBと新株予約権の引き受けを行っているはずである。
 なお、本プレスリリースに希薄化への配慮を示す文面がほとんどないことも注目に値する。新株予約権の消却条項はあるものの、MSCB発行のプレスリリースではあれほど強調していた希薄化抑制に関する文言が全く存在しないのである。ドリームテクノロジーズが相当厳しい交渉を行った傍証であると考えるが、いかがだろうか。
posted by こみけ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/7616443

この記事へのトラックバック