繰り上げ償還の理由については藤原所長殿がコラムで語っていらっしゃるのでリンク先を見ていただきたい。
その文章の中で、気になる一文があった。
「2.当社発行のMSCBの特徴と今回の銀行コミットメントラインについて」の中の、
「一方では、株式の希薄化懸念が浮上しました。前に述べたように今回のMSCBは、貸し株のないことから実際は、「売り圧力」は発生しない訳ですが、心理的な「買い抑止圧力」が顕在化したのではないかと考えております。」
と言うところである。
が、自分は実際には貸し株を行っていたのではないかとの疑義を主張する。
・・・お手元の会社四季報の05年夏号と秋号のインターネット総合研究所の大株主欄をご覧いただきたい。夏号をもう捨ててしまったという方はこちらのIRニュースの大株主欄が参考になる。
四季報夏号に掲載された大株主欄は4月30日時点となっており、筆頭株主は
藤 原 洋 45,338(23.7)
となっているのをご確認いただけると思う。
が、秋号に掲載された7月30日時点での大株主欄では、筆頭株主は、
藤 原 洋 31,871(16.5)
となっている。
すなわち、この3ヶ月間に藤原氏の保有株が約13500株減少していることになる。自分が調べた限りではこの間に株式売り出しや藤原所長の株式譲渡の情報はないのであるが・・・なお、この3ヶ月の間にMSCBの発行が発表(7月15日)されている。
自分としては、この13500株、どこかに貸し出されているのではないかと考えるのである。んで、時期が時期だけに、それがMSCBの「転換促進」に使われると考えるのは自然のことだと思うがいかがだろうか。
なお、貸出先がUBS AG London Branchかそれ以外かと言う点については関知しない。興味はあるけど。
(10月1日 追記)
記事掲載後、株式掲示板にて、本記事で問題にした貸し株らしきものは、04年12月に発行したCBがらみの貸し株ではないかとのご指摘を頂いた(CBのプレスリリース)。それを受けて再度IRIのサイトを確認したところ、6月30日時点ですでに藤原所長の保有株式数が減少していることが確認できた(株式情報)。
従って、この貸し株はスタンフィールドに対して行われた可能性が高く、今回のMSCBに関連した貸し株ではない可能性が高い。
一方で、スタンフィールドが、6月20日に発表された業績下方修正を事前に知り、発表前に貸し株を売り抜け利益確定したんじゃないかという疑惑も浮かんだが、そちらについては本記事とは無関係なので深く考えないこととする。