2005年09月03日

インターネット総合研究所(4741)のMSCB

 インターネット総合研究所(4741)(以下IRI)のMSCBについて、本家サイト閲覧者の方からお問い合わせを複数頂いたのでちょっと見解を述べてみる。

 本MSCBの発行額は110億円であり、IRIの時価総額が6〜700億円台をうろうろしていることを考えると、希薄化が激しいとはいえないと思う。
 また、転換価額修正条項の概要を下図に示す。下限転換価額(88,000円)は当初転換価額(176,000円)の50%、上限転換価額(228,800円)は当初転換価額の130%である。こちらも下限転換価額が著しく低いと言うことはなく、IT関連銘柄としては標準的であると思う。転換価額が毎週修正なのは少し気になるが・・・直前3日間のVWAP平均の10%引きに転換価額が決定されるというのは珍しくないところ。

mscb_4741_1.jpg
図 インターネット総合研究所が発行したMSCBの転換価額修正条項概要


 さて、自分が注目しているのは引き受け手がUBSという点である。
 UBSといえば、今年の春にフォーサイド(2330)が発行した500億円のMSCBを引き受けたところである。「貸株無し」を強調した感動的解説資料を発表し必死の宣伝活動をするもその後の株価が大変愉快なことになっている。本銘柄に関心をお持ちの方はご参照あれ。
 んで、今回のIRIのMSCBも、「貸株無し」の一文がプレスリリース中にある。このプレスリリースの下の方、

『(2)その他
当社の代表取締役である藤原洋と本新株予約権付社債の買取会社であるUBS AG London Branchとの間においては、当社普通株式を対象とする株券貸借取引に関する契約は、存在しておりません。』

という部分である。
 これにより、貸し株は行われないと判断している方もいるようである。

 が、私は少なくとも以下の方法を用いて、UBSは貸し株を借りることができると見ている。

1.いま(7月15日:発行発表日)は株券貸借契約を結んでいないが、これから結ぶ予定。
2.藤原代表取締役以外の大株主から貸し株を借りる。
3.実はLondon以外のUBSの支店(Branch)が藤原代表取締役から貸し株を借りちゃう。
4.UBSではなく提携している松井証券あたりが貸し株を借りる。

 個人的には3.が一番可能性が高いと見ているのだが、どうだろう?

 それと、株価が下がった場合は(繰り上げ償還を行い)銀行融資で対応するという話を藤原代表取締役が明言したと閲覧者の方より教えていただいたが、それはいままでの前例から見て考えにくいところである。IT系でMSCBの繰り上げ償還をやったところは、皆無だと思うが・・・?

 IXIを子会社化した影響についてはコメントを控えさせていただく・・・それ以前に営業CFがマイナス続きの点が目に付くのである。
posted by こみけ at 12:16| Comment(8) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このIRIですが、半年以上前にケイマンに1株だけの会社設立していたとおもうのですが(適時開示でもう消えているので。私の記憶だけなんですが。)これと、今回のMSCBなにか関係あるのでしょうか?
Posted by 胡桃 at 2005年09月04日 21:19
>胡桃 さん
 ↓ケイマンの子会社のというのはここのことでしょうか?
http://www.iri.co.jp/jp/ir/news2004/041202.html

 今のところ、今回のMSCBとこの子会社の間に何か関係があるという証拠はありません。
 ただ、この子会社の合弁相手であるスタンフィールドグループと今回のMSCBの引き受け手であるUBSが手を組んでいる可能性があると見ています。
 この2社が提出した5%ルール報告を追っていくと、報告される株式数とCBを転換した際に得られるはずの潜在株式数が合わないのです。両社間で貸し株等を行っている可能性があります。
 仮に手を組んでいたとして、何が目的なのかは、今のところ全くわからないのですが・・・
Posted by こみけ at 2005年09月05日 07:02
こみけ様、

はい。ケイマンの子会社、IRIのIR情報に残っていましたか。ここIR情報見つけるの大変だったんで。

この会社が出来た時から非常に不思議で(私は1株と書きましたが、2株でしたね。)囲碁でいう布石におもえて仕方がないのです。この2社ですが、ケイマンですのであくまでペーパーカンパニー。仮にあるとすれば、手を組むというより、幹部と証券会社との紙上での処理には最適ですよね。

類似に近いのが、プラネックスの大株主が米国のベイエリアで事業しているサスティーン。どっかで数字のつじつまが合わなくさせる手法として、この手の新手法が出てくるのではと...
Posted by 胡桃 at 2005年09月05日 09:46
>胡桃 さん
 う〜む、確かにプレスリリースを良く読んでみると不思議な会社ですねぇ。資本金2万円が一気に24億とんで2万円ですか。
 あくまで個人的な考えではありますが、この増資は、最初からIRIとスタンフィールドの間で決まっていた可能性があると思います。
 3〜4年前の話だったとと思いますが、あるMSCB銘柄が倒産したとき、「保有していた現金(MSCB発行により得た資金の一部)はMSCBの引き受け手が預かり、運用する契約になっていたため実際には資金繰り等に使うことが出来なかった」という真実が明らかになったことがあります。資金繰りに苦しんでいた企業にMSCBの引き受け手がつけ込んだ結果であります。

 んで、どうもこれと同じような事態が発生している気がするのであります。本件の増資資金24億、これを合弁の子会社が運用?するわけであります。仮に、運用方針を実際に決めるのはジュリアーニ側だとすれば、CBによる調達資金45億のうち半分以上の24億がなぜかジュリアーニ側に事実上還流され、しかもその24億の運用リスク・リターンはIRIが全面的に還元されるという、なかなか興味深い構図が浮かんできます。

 ・・・というのは話が飛躍しすぎていますかねぇ。IRI側にそういう話を受けざるを得ないだけの弱みがないように思えるのがこの仮説の問題点であります。
 もっとも、ジュリアーニがもたらしてくれると売り込んだかもしれないリターンに目がくらんだとすれば話は別ですが・・・?
Posted by こみけ at 2005年09月05日 21:38
ちょっと上の内容を訂正します。
(修正前)もっとも、ジュリアーニがもたらしてくれると売り込んだかもしれないリターンに目がくらんだとすれば話は別ですが・・・?
(修正後)もっとも、ジュリアーニがすばらしいリターンをもたらしてくれるに違いないとIRI側が思っているのならば話は別ですが・・・?

・・・すみませんねぇ。_| ̄|●

Posted by こみけ at 2005年09月05日 21:46
こみけさん。お世話になっております。
興味深い仮説ですね。

なんだかジュリアーニはいつも
株価が割り高になった企業にそういう
変なファイナンスの話を持ちかけている気がします。

問題はご指摘のようになぜ経営者がその話を
受けるのかですね。
何かを共謀しているのか、はたまたそのつもりで
丸め込まれてしまっているのか…
Posted by うらら at 2005年09月06日 02:23
こみけさんの推測をみて、やっと大体の構図がおぼろげながら、想像豊かに描ける(あくまで夢ですが。:-))ようになりました。IRI、いっぱいつけこまれる隙はあいますよ。CEOの経歴からみて。つい最近は、会津大学学長戦とか。
Posted by 胡桃 at 2005年09月06日 10:09
>うららさん、胡桃さん
 株価が本来の価値より高いと思った場合、CB発行や公募増資を行い資金調達を行うことは悪いことではないと思います。
 ただ、そのような手法で調達した資金を他人に運用させるというのは論外であります。自社に資金の運用能力や資金調達の必要性がないのを自覚しているわけでありますから、調達自体すべきではないのであります。

 ・・・もっとも、本件においてはどこが子会社の主導権を持っているか確認できるわけではありませんので、この仮説が全く的はずれである可能性も高いのですが・・・
Posted by こみけ at 2005年09月07日 00:41
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