2006年12月10日

最近読んだ本をちょいと紹介

 9月に旅に出た際に、東京で色々株に役立ちそうな本を買ってきた。読むのに結構時間がかかってしまったが、最近ようやく読み終わったので何冊か簡単に紹介してみる。
 ここしばらく、株本より経済全般に関する書籍を読むことが多くなっているので、株本の紹介はわずか1冊になってしまったがその辺はご容赦くだされ。


日本の富裕層 お金持ちをお得意さまにする方法  臼井宥文 著 (宝島社)

 本書は国内で富裕層向けマーケティングを行っている著者による、国内の富裕層の現状、分類、志向等を分析し、多種多様な嗜好を持つ富裕層に対してどのようなアプローチが効果的なのかを提唱している本である。

 本書では、代々続く富豪ではない、最近お金持ちになった人々(ニューリッチ)を5種類に分類しており、それぞれに異なった考え方や消費行動をとると主張している。
 このうち、自分が一番面白いと思ったのが、「ラグジュアリーリッチ」に分類される人々についてである。この分野に該当するのは、収入や保有資産はさほど多くはないのにも関わらず、車・時計・衣料・旅行等特定の分野にのみ富裕層並の大金をつぎ込むという消費行動をとる人々である。書中では「一点豪華主義」と言う表現がキーワードとなっている。
 自分としては、こういう収入、あるいは保有資産にそぐわない消費行動をとる人には「浪費癖」とか「見栄っ張り」とかあんまりよろしくない印象を持ってしまっている。一方で、マーケティング、あるいは(商品、サービス等の)売り込みをやろうというのなら、その特定の分野でおつきあいさせていただき、お客様に満足していただけば大いに結構なわけで、「ラグジュアリーリッチ」な人々が結構な人数になることを考慮すれば、そこに目を向けたマーケティングを行う価値は十分あると言うことになる。この辺は、傍観者、あるいはワイドショーで眺めて呆然としたりする程度の関わりしかない自分では気づき得ない視点であり、大変勉強になった。

 それと、巻末の対談では上流と下流を分ける一つの真理(と管理人には思えた事柄)が示されていた。自分が以前、ライブドアの堀江社長(当時)が世界バリバリバリューに出演したのを見た際に、いまいちうらやましく思えなかったのもその辺にあるんじゃないかと感じた次第である。


ソニー病 城島明彦 他 著 (洋泉社)

 ソニーがどこかおかしい−昨今の電池騒動やPS3に関する混乱を見て、そう感じる人は自分を含め少なくないと思う。
 では、どこがおかしいのかというと、なかなかはっきりしたことはわからない、それ故に改善策がなかなか定まらない・・・ソニーは、そのような状況で必死にもがいているようにも見える。一方で、上層部へのインタビューとかを見ると、それでも事態の厳しさを感じずに余裕ぶちかましているようにも見えてしまうわけだが。
 本書では、そのようなソニーが陥っている事態を「ソニー病」とある意味開き直りとしか言いようがない、一方で、何となく受け入れてしまう表現で語り、どうしてこういうことになってしまったのか、過去からの症状悪化の日々、現在の状況、そして解決への方策を示している。

 本書はあくまでソニーの事例を述べているが、「ソニー病」は他の企業、ひいては組織でも起こりうる事態のように感じる。「ソニー病」の典型例(笑)への理解を深めるために、本書は大いに役に立つはずである。


スゴ腕証券マンが明かす 株式市場「客ゴロシ」の新手口! 伊藤歩 他 著 (洋泉社)

 本書は、大手証券マンから相場師まで、市場の最前線でやり合っているプロが明かした話を載せている、としている。
 この本、自分の中では、本書著者の一人である星野陽平氏が編者となった「実録!株式市場のカラクリ」および「実録!株式市場の錬金術師たち」の続刊であると認識しているのだが、そうとらえてしまうと、この2冊と内容がかなり似通ってしまっていているのだよねぇ。いや、もちろん違う事例を扱っているのだが、こう、仕手株とか、怪しげな情報とかに近寄らない人にとっては、どの本に書かれていることも大して変わらないように感じたのである。ん〜・・・なんでだろうねぇ。

 さて、本書の中ではMSCBと株式分割または株式併合を利用した荒稼ぎについて1章が割かれている。これがくせ者で、自分としては、記事の一部が全く的はずれなものになっていると認識している。
 特に問題視しているのは、記事のうち株式併合の事例である。書中では、貸し株の空売りを併合後に行うように図で説明しているが、これは明らかに間違いで、併合前に空売りを行ってしまう方が利幅が大きくなるのは明らかである。併合後は株価が下落するものだというのなら、それを見越して併合前に売っておいた方がいいに決まっているからねぇ。
 また、その前(77ページ)にある貸し株に関する部分も問題である。文脈を見る限り、この著者、「借り株によるカラ売り自粛」が実効性のあるもののように受け止めているように思えるのだよねぇ。実際はMSCBの転換株式数の範囲内で貸し株の空売りが可能、すなわち事実上は全く意味のない条項だというのに、そこが見抜けていないように見える次第である。

 ・・・今回は金出して買ったけど、こういう内容が続くようなら次回作は立ち読みで終わりそうだねぇ。


 最近は、株式投資そのものに関する本と言うよりはマネープラン全般、もしくは投資家の伝記・市場の歴史など、周辺領域?に関心が移っているようであり、しばらくはそっち関連の本を読むことが多くなりそうである。
 今回書評も書いたような、富裕層関連の情報はできる限り知っておきたいのだが、なかなか本だけではわからないねぇ。「メイドさんの雇い方」とか、紹介されている本はないものか。
  
posted by こみけ at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。