2011年04月03日

アーク(7873)、潜在株式数が発行済株式数の10倍以上になる優先株の発行を発表する

 3月31日、東証一部・ジャスダック上場のアーク(7873)は企業再生支援機構、およびみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行等金融機関への優先株発行を発表した。プレスリリースはこちら

 今回の優先株発行は、新規出資および債務の株式化により行われ、規模の大きさが目を引く。
 本件においては、アークはA種、B種、C種の3種の優先株を発行し、90億円の新規出資により発行されるA種優先株式が1億5000万株、約205億円の債務の株式化により発行されるB種、C種優先株式が合計4,730万株となっている。
 そして、A種優先株式では優先株1株と引き替えに普通株4株(つまり、普通株1株を15円で取得することになる)、B種およびC種優先株式では優先株1株と引き替えに3株の普通株を取得できる取得(転換)条項が定められている。
 そして、これらの優先株式が全て普通株式に転換された場合の株式増加数は、A、B、C種合計で7億4191万株にも達するという。半面、アークの現時点における発行済株式数は6,810万株となっており、仮に優先株が全て普通株に転換された場合、普通株式数の増大は10倍以上になってしまうのである。

 ここで問題になるのが、第三者割当増資に関する日本証券業協会、ひいては東証およびジャスダックの規制である。
 東証およびジャスダック(+大証)においては、希薄化率が300%を超える(=発行済株式総数の3倍以上の新株を発行する)第三者割当増資においては、『株式および投資者の利益を侵害するおそれが少ないと(取引所が)認める時を除き』上場廃止にするという規則がそれぞれ定められている。そして、希薄化率だけを見れば、今回のアークの優先株発行は明らかにこの規則に該当する。
 この点について、アークはプレスリリースの6ページ目、U.2.(5)既存株主への影響 の項でいくつかの理由を挙げ、上場廃止とはならず、上場が維持されるものと考えているという。
 詳しくはプレスリリースをご確認いただくとして、特に興味深いのは、上場が維持されると考えている理由の一つに『@本資金調達は機構法に基づき主務大臣の認可を受けて設立された公的な役割を担う法人である機構に対する第三者割当増資により行われるものであり、公的資金による救済としての側面を有すること』と述べている点である。
 つまり、アーク的には、取引所が上場維持の判断を行う際、今回の大規模増資が公的資金による救済であるという事情を考慮するであろうと期待していることがわかる。まあ、多分そうなるだろうと自分も思うが、どのような結論が出るかは一応見届けたい。
 むろん、上場が維持されたとしても潜在株式が大量に生まれるのは避けられない以上、潜在的な一株指標の悪化は避けられない。その辺は、株主責任と言うことで株主のみなさんが受け入れる部分と言うことになるのだろうねぇ。


 ・・・ところで、本件とは直接の関係はないが、どことは言わぬが目下国有化の可能性が盛んに議論されている某銘柄に対しても、公的資金を大量投入しての希薄化を行った場合でもこの論法なら上場維持が可能だな〜とか思ったりもしている。
 もちろん、最終的にどのような処置とするか決定するまでにはまだまだ時間がかかると思うが、仮に上場維持という形で決着する場合、大幅希薄化という観点での障害はあまりないと考えることができそうである。
 もっとも、技術的な問題で上場維持の是非が決まるわけではないのも間違いないところである。
 ・・・本当にどうなることやら・・・。
 
posted by こみけ at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 銘柄ネタ(MSCB除く) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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