2010年06月13日

財務省、個人向け国債新商品を婚活男子に宣伝する

 9日、ブルームバーグが報じたところによると、財務省は6月3日から募集を開始した新型個人向け国債「固定3」(固定金利型3年満期)の広告をR25という25歳以上のビジネスマン向けフリーペーパーで掲載したそうである。
 R25に掲載された広告はこちらでダウンロード可能である。まずは広告をさっと眺めてから以下の記事を読んでいただきたい。


 ・・・ええと、正直広告内で話が飛躍しすぎていて私はついていけなかったです、はい。
 まず、上段の女性5人が回答している部分で、Q1の『結婚相手に求めるものは?』で堅実さや経済力を求めるのは理解できる。だが、なぜそこからいきなりAns.が資産運用の話に飛ぶのかが理解できない。自分の考えだと無駄遣いしないとか貯金だとかが先に来て、それから余剰資金の運用に話がいくのだが・・・。
 また、Q2の『結婚相手にやってほしい資産運用は?』と言う質問は・・・何というか、質問に無茶なところを感じた。安定している方がそうでないよりいいのは当たり前だが、リターンやインフレリスクについては一言も語っていない(語ったら広告自体成立しなくなるけど)。
 とにかく、資産運用の話としては、記事全体が片手落ちなんだよねぇ。
 この辺の甘さが、広告全体のうさんくささをよりいっそう盛り上げていると思う。

 さて、広告の上の部分につっこみを入れるだけでは資産運用の話にならないので、ここからは広告で熱く語られている「固定3」の詳細を見ていく。
 まず、満期は3年で固定金利となっており、次回(7月)発行分の第1回債の金利は年率0.19%(税引後0.152%/100万円あたり1520円)と決定された(財務省のリンク)。また、中途換金については発行後1年を経過すると可能だが、直前2回分(=1年分)の税引後利子額を差し引かれることになる・・・要するに、1年分の金利没収である。
 そして、「固定3」は発行が毎月行われる。これまでの「固定5」「変動10」が年4回発行だったのに比べると、買付機会が増えると言うメリットはある。円建て国債である以上、元本保証がされているのは言うまでもない。
 上記詳細のうち、一番の問題は金利水準である。現在、国内の金利水準が極めて低いのは皆様ご存じの通りであるが、それでも、ネット系銀行では1年もの定期預金の金利として0.3%程度を出すところが多い(参考)。3年だと0.35%程度まで上がるところもある。
 それと比較すると、「固定3」の0.19%というのは(メガバンクの定期預金金利よりは高いが)いかにも見劣りする。定期預金もペイオフ制度で1000万円までは金利を含めて保護されていることを考えると、安全性も国債と定期預金では(1000万円までは)差がないと言っていい。つまり、現状では「固定3」は安心・確実な資産運用ではあるが、同程度に安心・確実な定期預金と比較して、楽しさ(金利水準)では明らかに劣ってしまうのである。というか、100万円分買っても1520円しか利息がつかないのなら、運用もへったくれもないと思ってしまうのは、自分が株式投資を中心に行っているからなのだろうかねぇ。
 んで、純粋な金融商品としては定期預金に劣る魅力しか持たない国債をなんとかして売り込もうとして考えついてしまったのが、ステータスシンボルとしての国債、『国債を持てる男子は女性にモテる!!』というキャッチコピーだったのだろう。つまり、この広告は資産運用とは無関係な代物と自分は感じてしまった次第である。

 そうそう、肝心の『国債を持てる男子は、女性にモテる!!・・・か!?』と言う点は、自分としては間違いなく「モテる」と断言したい。
 だって、国債を実際に保有するかどうかはさておき、国債を(持とうと思えば)持てる資金がある男性の方が、(持ちたくても資金がなくて)持てない男性よりも人気があるのは間違いないだろうからねぇ。何をもっているかよりも、いくら持っているかの方が重要ではないかと。
 実にくだらない言葉遊びだが、まあ売り込みの文句が他に浮かばなかったのだろう。


 ・・・国債を保有していると言うことは、自らが相応の経済力・資産を保有しているというステータスシンボルの一つにはなり得ると思う。だが、現時点で国債の利回りが定期預金にも劣っている以上、国債保有をアピールしたとしても、資産運用の能力としてはあまり評価されないと思われる。まあ、お相手が金利を比較検討するような方でない場合は別なのかもしれないがねぇ。
 んでも、国債を持っているだけでは『安定感のある男』とはならないのは間違いないし、「固定3年」を持っているからと言って、女子からイチ目置かれるかどうかは、あまり関係のないことだと思われる。
 そもそも、どんな場面で自らが国債持ちであることを女性に対しアピールするのかが思い浮かばない。合コンとかで言うのだろうか・・・。仮に、財務省の人々がそういうアピールをされているというのなら、自分としては是非一度現場を拝見し感動の涙を流させていただきたいところである。

 いっそ、女子が『安定感のある資産運用』を求めるというのなら、女子な方向けに国債をアピールすればよいのではないだろうか。特に婚活女子向けに。最近は女性にも経済力を求める男性が多くなっているわけで、堅実な女性は男性からも歓迎されるし。
 ・・・自分は利回りにも考慮をする資産運用を行う人の方を好ましく思うがねぇ。
 

posted by こみけ at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | お金全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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