2006年01月14日

アドテックス(6739)のMSCB

 10日、CBの繰上償還請求に応じることができず監理ポスト入りしているアドテックス(6739)が、償還資金調達を主な目的とした総額約75億円のMSCB及び28万株分相当の新株予約権を発行した。プレスリリースはこちら(第2回MSCB第3回MSCB及び新株予約権)。
 本MSCBにおいては、アドテックスの厳しい経営状況を背景に、ここしばらくなかった極めて厳しい転換価額修正条項が定められている。まずはそれについて説明した上で、本MSCBに関する個人的な考えを何点か主張させていただくこととする。

〜プラシスの再来 概要〜


 本MSCBにおいては、第2回及び第3回で発行額や発行日が異なっているが、転換価額修正条項については行使請求期間(発行日翌日から)が異なるだけであるので、ここでは第2回を例に取り説明する。

 本MSCBの当初転換価額は6,730円と定められている。上限転換価額については、本MSCBにおいては、転換価額の修正は後に説明するとおり下方修正のみであり、上方修正は行われないため定められていない。あえて言うならば、当初転換価額の6,730円が上限転換価額であると言うことができる。一方で、下限転換価額も定められていないが、こちらについては、株価が下落すれば転換価額はどこまでも下方修正されることを意味している。あえて言うならば1円が下限となるが、将来、株式の併合を行った後さらに株価が下落すれば、1円未満となることもあり得るのである。
 転換価額の修正は、前日終値の90%に相当する金額(決定日価額)がその時点の転換価額を下回っていた場合、転換価額は決定日価額へと修正されることに定められている。一方、決定日価額が転換価額を上回っていたとしても、上方修正は行われない。
 すなわち、本MSCBにおいては転換価額は毎日修正(ただし下方修正のみ)であり、株価を10%ディスカウントした値が転換価額に定められる。
 これらをまとめると、図1の通りとなる。

プラシスといっしょ
図1 本MSCBの転換価額修正条項概要

 なお、本MSCBのように下限転換価額が定められていなかったMSCBとしては、プライムシステム(現サンライズ・テクノロジー(4830))が発行したMSCBが前例として挙げられ、それからしばらくして、1000株→1株の株式併合を行った同社の株価が現在どんな感じであるかは皆様ご承知の通りである。
 プライムシステムのMSCBについて興味がある方は、EDINETにて、サンライズ・テクノロジーの03年頃の有価証券届出書を探すと、今回アドテックスが発行したMSCBによく似た条件のMSCBの届出書も出てくるのでご参照下され。

〜本ファイナンスがなければ 主張〜


 本MSCBは上で見たとおり、大変厳しい条件が定められている。だが、自分としては、この条件、大変厳しいものではあるが異常とは言えないと主張するところである。
 そもそも、アドテックスは昨年10月に予定していた第三者割当増資の払込を受けられず、繰上償還請求が行われた転換社債の償還が不可能となっていた。すなわち、債務不履行?と言うことで監理ポスト行きとなっていた(当然)。したがって、このまま資金調達ができなければ、アドテックスは倒産必至な状況だったのである。

 そのような状況下で、エスポワール投資事業組合というか、バーテックスリンクは、MSCBとはいえ資金を出してくれると申し出たのであるから、株主としては喜ぶべきことであると自分としては主張するところである。現に、株価も上昇に転じているわけであるから・・・。ここら辺の構図を調子に乗ってAA(アスキーアート)で表してみるとこんなことになると思う。


 また、下限転換価額が定められていないと言うのは確かに厳しい条件ではあるが、バーテックスリンクの言い分としては↓こんな風になるのではないかと思う。


 いかがだろうか。なお、これらはあくまでも管理人の個人的な考えであることを改めて明示するところである。


 さて、自分が興味を持っているのは、アドテックスが3月に臨時株主総会を開催する際に、授権株式数をどの程度まで拡大するかという点である。原理的には、本MSCBの転換株式数は数十億株にもなりうる可能性もある。そんなことはないと思うけど。
 仮に授権枠をあまり拡大しないでいると、転換価額が大きく下方修正された場合は発行済株式数が授権株式数を上回ってしまう可能性が出てくるのである。そういうとき、どうするのかねぇ。転換を待ってもらって、その間に臨時株主総会を開くというのは時間的に無理だろうし・・・。その辺に注目。

 それ以上に気になるのは、本MSCBの転換により株式数が膨れ上がった場合、かつてのプライムシステム株がそうであったように、ヘラクレスのシステムに負荷を与えてしまうのではないかという点なのである。こうなってしまうと、影響はアドテックスだけにとどまらず、ヘラクレス上場の他銘柄に及ぶおそれもある。大証としても、プライムシステムのような銘柄が再び現れるのはものすごく嫌なはずである。

 本ファイナンス、アドテックスにとってはよいことなのだろうが、株式市場全体から見た場合においては、いろんな意味で異なる見解が出そうなところである。


*本記事で使用したAAは「福本AAWiki」のものを使用させていただきました。文章は双方とも一部修正しております。
*本記事で使用したAAの元ネタは「賭博黙示録カイジ」であります。
*上のAAのHTML版が欲しい方(いないと思うけど)はコメント欄にその旨コメントして下さい。当HP内にUPします。
posted by こみけ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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