2009年07月03日

管理人ネット復旧のお知らせ

 昨日、無事自宅のネット回線が復旧しました。
 お騒がせしました。
posted by こみけ at 20:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 運営上の連絡・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月29日

管理人ネット回線不通のお知らせ

昨日より、自宅のネット回線がつながらなくなりました。
現在、ブログへのコメント、掲示板への書き込み、メールへの返信ができなくなっております。
復旧しましたら再度お知らせいたします。
posted by こみけ at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 運営上の連絡・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月21日

イチヤ(9968)、上場時価総額基準抵触により上場廃止が決定する

 5月29日、イチヤ(9968)は、自社が6月30日付で上場廃止になることを発表した。
 プレスリリースはこちら。また、ジャスダックの発表文はこちら

 ・・・イチヤは自分にとっては思い入れが深い銘柄である。自分が(ミニ株ではなく)初めて単位株主として保有した銘柄はイチヤだった。
 また、当ブログの看板記事となっているMSCB関連記事の知識を得るようになったのも、イチヤが株価低迷をしている理由を探しているうちにMSCBに行き着いたのがそもそものきっかけである。買付時は、なんでこんな株が安値で放置されているんだ、とか本気で思っていたからねぇ。PER3倍とかだったような気がするし。
 まあ、その後値動きの鈍さに嫌気がさして手放し、さらにその後しばらくしてだいたいの実情を悟ってしまったわけだが。でも、若干の授業料と引き替えに色々と学べたいい銘柄だった・・・。


 さて、話を戻して今回イチヤが抵触してしまった時価総額基準の話である。
 ジャスダックには時価総額基準は2種類定められている。一つは、時価総額が5億円(現在は3億円)未満の場合、そしてもう一つは時価総額が株式数の2倍未満の場合である。
 このうち、今回イチヤが抵触したのは後者である。詳細については文頭に挙げたプレスリリースをご覧頂くとして、概要だけ言えば、「本年2月に時価総額が株式数の2倍未満となり、3ヶ月連続でその状態が続いたので上場廃止」と言うことになる。

 イチヤもこの危機的状況に手をこまねいていただけではなかった。上場廃止を回避すべく、10株→1株の株式併合を行うことを3月30日に取締役会で決議した。併合日は5月28日、3ヶ月の猶予期間にギリギリ間に合うタイミングである。
 そして、無事株主総会の特別決議を通すことにも成功し、株式併合は予定通り行われた。5月末(29日)のイチヤの終値は24円、(言うまでもないことだが)時価総額は株式数の24倍となった。
 これでイチヤは上場廃止を免れたかのように思えたのだが、その夜、イチヤの上場廃止がジャスダック・イチヤの双方から発表された。無事クリアしたと思われていた上場時価総額基準への抵触が理由である。

 自分は今回の事態が発生するまで知らなかったのだが、『時価総額が株式数の2倍未満』という基準の判定方法は、実は2種類あり、上場廃止回避のためには両方をクリアしなければならない(参考リンク)。
 一つは、1ヶ月間の平均時価総額である『月間平均上場時価総額』から算出する方法、そしてもう一つは『月末上場時価総額』を用いる方法である。
 『月間平均上場時価総額』は、時価総額の1ヶ月間平均である。
 一方、『月末上場時価総額』は、その名の通り月末(今回は5月29日)時点での時価総額である。
 今回、イチヤが引っかかったのは『月間平均上場時価総額』の方である。

 『月間平均上場時価総額』の算出方法については、ジャスダックの諸規則内規に定められている。この規則では、時価総額の算出方法に加えて月間平均上場株式数の算出方法も定めている(上記リンクの1.(3))。
 今回のイチヤの事例を考えるのにあたり、諸規則で留意しておく必要があるのは、「併合4営業日前までは併合前の株式数、併合3営業日前以降は併合後の株式数を用いて月間平均上場平均株式数を算出する」という点である(管理人解釈)。
 この点を考慮の上で、本年5月におけるイチヤの月間平均上場株式数と月間平均上場時価総額を算出してみると表1のようになった。
 なお、本表は管理人の推測によるものであり、算出手順・結果が正確でないかもしれない点についてはご了承願います。

表1 イチヤの株式数・時価総額の推移
あくまで管理人推測です

 なお、5月25〜27日の株価については、ジャスダック諸規則において、時価総額の算出には最終価格を用いると記されているので(理論価格の10円ではなく)1円とした。
 本表より、イチヤ株の月間平均時価総額は月間平均上場株式数の約1.52倍であり、上場廃止基準に引っかかってしまうことがわかる。ちなみに、25〜27日の株価を10円と見なしても、約1.72倍と算出され、やはり上場廃止基準に抵触する。
 結局の所、併合前の時期に終値が1円をつけることが多かったのが致命傷(?)と言えるであろう。また、月間平均上場株式数が9億株近くと算出されており、併合後の株価上昇ではそれまでの低迷(時価総額不足)を補えきれなかったと言う面もある。
 後知恵を持って言えば、今回の上場廃止、確実に回避するためには5月上旬までに株式併合を行うべきだったと思われる。5月の月間平均上場株式数をなるべく低く抑え、かつ、株価を早期に1カイ2ヤリ状態から離陸させる必要があったのではないかと。
 まあ、株主総会の基準日とかで時間的にできなかったのかもしれないがねぇ。
 

 以上、本記事では、株式併合という対策を取ったにもかかわらず時価総額基準により上場廃止の憂き目にあってしまったイチヤについて考察を行ってみた。
 ・・・月末上場時価総額だけでは(今回のように)一時的に株価が上昇した場合に上場廃止とすることができないケースがあり、JASDAQが月間平均時価総額との二本立てで上場廃止の判定を行うのは理解できる。
 しかしながら、この仕組みについてのJASDAQの説明は不十分であると主張したい。せめて、説明文がホームページのQ&Aおよび諸規則のPDFファイルにしか記載されていない現状は改めて欲しいところである。たとえば上場廃止基準のページの脚注として記すとか、認知度を高める方法はあると思うのだが。
 もっとも、そのような細々とした点まで気を回さなければいけない銘柄になど投資しなければいい、というのが投資家的には正論のような気もする次第である。
 
posted by こみけ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 銘柄ネタ(MSCB除く) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月31日

【書評】黒の株券 ペテン師に占領されるウォール街

 皆様ご存じの通り、日本株式市場にはゆかいな銘柄が新興市場を中心に多数存在している。2006年以降、不正が明らかになったいくつかの銘柄はよくて株価急落、悪ければ倒産という結末に見舞われ、投資を行った人々のお金の大半はどこかへと消えてしまった。
 この反省からか、最近、東証、日証協などで上場企業への規制強化が検討されている。この際、参考事例として米株式市場における規制が取り上げられることが多いが、米国とて問題がないわけでもないようだ。

 本書「黒の株券 ペテン師に占領されるウォール街 デビッド・アインホーン 著 塩野未佳 訳 (パンローリング)」は、ヘッジファンドの社長を務める著者と、ニューヨーク株式市場上場の投資会社アライド・キャピタル(ALD、以下アライド)との戦いを通し、米株式市場を取り巻く様々な問題について著者の意見を述べた作品である。

 戦いのそもそもの発端は、投資講演会(時々日経で広告が出ている講演会のようなものか?)で著者がアライド(とその子会社、以下同じ)が不正会計を行っているとの主張を行ったことに始まる。
 講演は、アライドの投資先のうち、経営が行き詰まっている企業についても投資を回収できると見なし、損失隠しを行っている、という内容であった。講演内容自体も刺激的なものだが、著者が率いるヘッジファンドが講演前にアライド株を空売りしていた(講演時に明言)というのが事態をさらに混沌とさせた。
 当然というべきか、アライドから著者へのプレスリリースによる反論があり、そこから泥仕合が始まった、と言う流れである。まあ、日本でもネット・週刊誌vs糞銘柄の構図で良く見られた展開だねぇ。

 アライドが行ったという不正の中で特筆すべきは、焦げ付き時には米政府(正確には中小企業局(SBA))が大部分の補填を行うという中小企業向け融資制度を悪用し、不正融資を行っていた事例である。不正融資自体は、実際には廃墟の建物を、収益物件と言うことにして融資を引き出していた・・・という日本でも時折見かけるパターンである。
 面白いのは、この不正を見抜いた著者がSBAに告発を行った後である。まず、SBAはまともに取り合おうとせず、不正融資が積み重ねられるのを放置していたという。また、問題が大きくなり、政治問題化(公金の不正支出)した際にも、アライドから民主・共和両党のえらい人に政治献金が行われており、そのせいでアライド側に有利な判断が下されたとのことである。
 日本だとなかなか想像できない事態ではあるが、向こうはロビイストなる人が活発に動いているとも聞くので、まああってもおかしくない話ではある。
 あと、ニューヨーク・タイムズを初めとするマスコミ産業やSECが当てにならなかったとも書いているが、これは日本でも同様だから特に異論はない。おそらくは事実なのだろう。

 ・・・著者が本書を通じて語っていることは、おそらく事実だろうし、アライドだけではなく、米株式市場で似たような事例が多数起きていると思う。
 ただ、著者のヘッジファンドがアライド株の空売りをやっている以上、発言内容がある程度色眼鏡で見られるのは仕方のないことだと思うのだよねぇ。
 自分の場合は、アナリストレポートでさえ、純粋な企業分析以外の何かしらの意図が働いていると考えたりする。ましてや、売りポジションを持っているヘッジファンドの発言など、たとえ正しいものであったとしても、なかなか真剣に聞こうとはしないと思う。
 もちろん、真実を明らかにしようとする著者の行動が間違っているわけでもないのだが、人間完璧じゃあないからねぇ。働かないSBAの役人は問題外だが。


 ・・・本書を通じて米国の事情を垣間見ると、「程度の差はあれどの国も苦労しているな〜」というのが自分の印象である。
 となると、結局の所、自分の資金は自分で守らなければならない、というのは全世界共通であり、日本株式市場で規制強化とやらが行われても引き続き自己防衛が必要なのは間違いなさそうである。
 政府、証券取引所、その他の何かに期待するのはやめにしましょうと言うことで。

 ・・・しかし、この著者の人もすんごい執念だねぇ。いくら空売り中の銘柄とはいえ、ここまで話がこじれたら、自分ならさっさと手を引いて他に回るのだが。
 まあ、このくらいの執念、もしくは信念がないとヘッジファンドの社長は務まらないということなのだろう。
 自分には到底無理ですな。
 
posted by こみけ at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月07日

東証、上場制度整備懇談会から株式併合・第三者割当増資に対する提言を受ける

 4月23日、東証は上場制度整備懇談会から『安心して投資できる市場環境等の整備に向けて』と題した提言を受け取ったと発表した。
 提言のリンク先はこちら。ちなみに懇談会の委員名簿は22ページ目(提言文書に記載されたページ数、以下同じ)に載っている。実にそうそうたる面々である。
 
 今回の提言については、MSCBや第三者割当増資に意味のある規制がなされるのではないかと、自分もそれなりに期待していた。
 だが、提言内容を見ると、残念ながら今回示された規制はいずれも効果的とは言えないものと思えてしまった。
 本記事では、今回提言された株式併合と第三者割当増資の規制内容について自分なりの解釈を述べ、特に第三者割当増資規制の問題点についてつっこみを入れてみることにする。

 
 上場制度整備懇談会は、今回の提言において、株式併合と第三者割当増資を中心に議論を行ったとしている。
 このうち、株式併合については、上で示した提言の15ページ目に『・・・株主の権利の不当な制限の観点から実質審査の対象とし、・・・問題がある場合には・・・上場廃止の対象とすることにより未然防止を図るべきである』と言う記載がある。つまり、端株発生即上場廃止ではなく、審査の上で上場廃止するかどうか判定する仕組みを想定しているようである。
 この審査が具体的にどんな運用になるかはわからないが、形式的には、非上場会社との合併の場合のように、審査期間を経て、問題と判定されれば上場廃止になるという流れになるのではないかと考えている。
 ・・・審査期間中は、監理ポストでの売買になるのかねぇ。まあ、どちらにしろ、猶予期間があることは大いに意味を持ってくる。猶予期間中に併合が行われたり、大規模増資が行われたりするかもしれないからねぇ。
 
 一方、大規模な第三者割当増資を行う場合の規制については、自分は本提言はほとんど意味のないものであると考えている。
 まず、300%以上の希薄化の場合は、実質審査の対象、すなわち株式併合と同じ扱いとなる。現在の会社法においては、300%以上の希薄化は株式併合を行わない限りできない。従って、必ず株式併合を行うことになるのだが、既に株式併合時に実質審査は行っているのである。
 もちろん、審査の観点(どこを問題点として上場廃止か否かを判定するか)は違うのだろうが、株式併合と大規模増資を同時に発表した場合なんかは、わざわざ併合・希薄化の双方で審査を行う必要性はあまり感じない。併合・増資の理由は一つだろうだからねぇ。

 そして、25%以上の場合については、あからさまな抜け道が13ページのまとめ表部分に明記されている。表中備考欄の『左記の手続を実施することが困難なほど・・・手続が不要』と言う点ではない。
 手続/審査は『経営陣から独立した者からの意見聴取』又は『株主総会決議などによる株主意思の確認』のどちらかにより行う予定のようだが、このうち前者についてはそこらへんから経営陣の意向に沿った意見を出す人々を引っ張ってくればいいだけの話に思えてしまう。
 時折、直近株価が高騰している銘柄の第三者割当増資の際、直近株価よりも著しく安い過去数ヶ月間の平均株価を割当価格とすることがある。もちろん、有利発行が疑われる事例なのであるが、『・・・弁護士より有利発行には当たらないとの意見を頂いております』といった意味合いの一文と、その理由らしきものを述べて有利発行ではないと主張し、増資を実行してしまうのである(参考リンク)。
 これと同じ流れで、そこら辺の弁護士か、会計士あたりに金を払って『問題なし』的コメントを取ることで『手続/審査』を終わらせてしまうのではないかと。わざわざ株主総会を経るよりも機動的(笑)だし。
 ・・・といった感じのお手軽手法が容易に通用しそうである点を考慮してみると、今後25%以上の希薄化を行う場合、株主の意思を問われることは現在同様滅多になく、その代わりに第三者割当増資発表のプレスリリースの冒頭に、何ら意味のない『独立した者の意見』が追加されるだけだと考えるのが最も自然ではないかと考える次第である。もちろん、『独立した者』がいったい誰なのかは全くわからない無記名形式で。
 よって、今でさえあまり意味のない文章が数ページにわたって続いているMSCBの場合なんかは今まで以上にうんざりしそうである。
 ・・・まあ、そもそも手続とはそんなものなんだろうけど。


 ということで、今回の提言がそのまま実施されたとしても、個人投資家的には市場環境は今現在と変わらぬ安心度のままであり、問題銘柄については自ら分別し、投資対象から排除することが引き続き必須となりそうである。
 そして、東証に対しても、今まで通り期待しないで生暖かい目で眺めていきましょうと言うことで(←ちょっと脱力しながら)。
 
 
posted by こみけ at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | お金全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月19日

東証、株式上場制度の見直し案に第三者割当増資の規制を盛り込む

 先週、新聞各紙において東証の株式上場制度の見直しの中に、第三者割当増資への規制が含まれていることが報じられた。
 ネット上で最も詳しく報じていると思われる読売の記事はこちら

 本記事によると、第三者割当増資の規制内容としては、
(1)発行済株式数の3倍を超える新株を発行する企業は原則上場廃止
(2)発行済株式数の25%以上の新株を発行する企業などは株主総会の事前決議が必要
(3)株式併合で議決権を失う株主が現れる企業も原則上場廃止
であるという。

 まず、(1)のケースであるが、発行済株式総数の3倍を超える新株を発行すると言うことは、すなわち増資後の発行済株式総数は従来の株式数の4倍超になると言うことを示している。
 会社法113条3項では、発行可能株式数(授権枠)は、(増資前の)発行済株式総数の4倍以内と定められているので、そもそも原則的には(1)は起こりえない事態である。
 このケースが起こる可能性があるのは、過去の株式併合や消却により(発行可能株式数を減らすことなく)発行済株式総数を減らした銘柄大規模増資を行う場合等のようである(参考リンク)。
 過去に上記のようなことが起きた事例としては、モックが10株→1株の併合後に大規模な増資を行ったケースがある。・・・たぶん、東証はこのモックの事例を意識しているのだろうねぇ。ある意味、会社法をすり抜けてしまったとも言えるわけで・・・。

 (2)については、これまでも度々起きてきたケースである。
 株主総会の決議をもって大規模増資を認めることにするのは、既存株主保護には望ましいことであり、本項については大いに賛同したい。
 ただ、一言言わせてもらうと、この『25%以上』という規制の網は、「1回の増資」ではなく、「1期(1年)の間の増資規模の通算」にかけてもらいたい。
 こう、仮に「1回の増資」で網をかけると、各回20%くらいの増資を複数回(3ヶ月に1回とか)行い、規制のすり抜けを図る銘柄が出てきそうな気がするのである。それは規制の趣旨に反するからねぇ。

 自分が特に気になるのは、(3)の場合である。おそらくは(1)の事態が起こるのを防ぐのが目的の一つになっていると思われる。が、本項は見方を変えると「株式併合を行う場合は同時に単元株式数の変更も行わないと原則上場廃止」と言う読み方もできると考える。単元未満株式には議決権は認められていないからねぇ。
 仮に、自分の妄想通りに(3)が運用されると、まず、短期的な影響として、1株単位の銘柄の株式併合は基本的にできなくなることが挙げられそうである。併合して生まれた端株は議決権がないわけだから、原則として上場廃止の危機が迫るはず。
 まあ、経過措置とかはあるだろうし、事前に株主総会の決議があれば上場継続が認められるような仕組みになるかもしれない。
 一方で、単元株式数が1株でない銘柄についても、将来的には(100株に?)単元株式数を揃える方向で動いている株式市場の動向を考えると、いずれは株式併合自体が困難になることも考えられなくもない。まあ、ここ数年は大した変化はないと思うが。

 今回の見直し案は、一般の意見を聞いた上で今夏にも実施される予定であるという。
 実際の規制は今回明らかになった案とは異なる内容になる可能性も小さくないとは思うが、株式併合の可能性がある銘柄を扱う人にとっては無視できない内容になるかもしれないところである。
 
posted by こみけ at 23:03| Comment(7) | TrackBack(0) | お金全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月06日

ラウンドワン(4680)のMSCB

 3月26日、ラウンドワン(4680)は総額72億円分のMSCB発行を発表した。プレスリリースはこちら
 引き受け手は日興シティである。

 本MSCBについて考察を試みた結果、自分としては以下のような注目点があるものと認識した。
(1)転換価額の修正が行われるのは株価が4月2日終値の半値以下の状態が続いた場合のみであること
(2)(1)の転換価額の修正が行われない場合、強制取得(事実上のMSCB強制転換)が行われる可能性が高まること

 本記事では、第1回から第4回までのMSCBのうち、第1回を例に取り概要を述べてみる。
 その後、本MSCBの転換価額修正条項がやたらと複雑になっている点について軽く妄想してみることにする。

〜転換価額修正は基本的に1回のみ、ディスカウント率8% 概要〜

 本MSCBの当初転換価額は4月2日(木)の株価終値(683円)の120%である820円と定められた(プレスリリース)。
 また、下限転換価額は、4月2日終値の50%、342円と定められた。

 次に、転換価額の修正条項について概要を述べる。
 本MSCBの転換価額修正は、あとで説明する強制取得時を除き一度のみ行われることになっている。また、転換価額の修正期間は第1回から第4回MSCBまででそれぞれ異なる。
 第1回の場合、修正が行われるのは、4月14日から6月15日までの間(転換価額修正観察期間)に株価が下限転換価額を10日間連続で下回った場合である。また、修正後の転換価額は、4月14日から、株価が10日間連続で下限転換価額を下回ることになった日の初日の前日までの間のVWAP平均値の92%である。
 仮に、5月11日から5月22日までの10営業日の間連続して株価が下限転換価額を下回った場合を想定すると、転換価額の修正は4月14日から5月8日までの間のVWAPをもとに行われることになる。

 以上で説明した転換価額修正条項の概要を図1に示す。
今まで見たことがない複雑さ
図1 転換価額修正条項の概要

 また、7月10日(強制取得日)までに本MSCBの転換が進まない場合は、『残存本新株予約権付社債の全部を交付財産と引き替えに取得する』とある。この『交付財産』は株式のことだから、事実上残存するすべての第1回MSCBを強制的に転換するといって差し支えないと思われる。
 んで、この際の転換価額(強制転換価額)は、4月14日から6月26日までのVWAP平均値の92%と定められる。この点、プレスリリース上では転換価額の修正とは書いていないが、これも事実上の転換価額修正と考えてよいのではないかと。
 なお、強制転換価額の算出は、MSCBが全転換された場合を除き、図1で説明した転換価額修正の有無にかかわらず行われると考えて良さそうである。

 以上で説明した強制転換価額算出の概要を図2に示す。
上方修正の可能性もある
図2 強制転換価額算出の概要


〜複雑な修正条項の裏には何が? 考察〜

 ここまで見てきた転換価額修正条項等を考えると、本MSCBの転換は、
・株価が4月中旬以降、下限転換価額を下回る展開が続く場合は早期に転換価額の下方修正が行われ、早い時期にMSCBの転換を行う。
・株価が300円台後半〜700円台の範囲で推移する場合は、強制取得日に転換価額が修正されるまで待ち、株式を得る。
・株価が当初転換価額を大きく上回って推移する場合は、強制取得日前に(当初転換価額での)転換を行う。

とするのが引き受け手の利幅がもっとも大きくなる。

 すなわち、引き受け手は株価推移に応じて上記それぞれの戦術を採る可能性が高いのではないかと考えることはできる。
 だが、自分が気になったのが、日興シティ(とラウンドワン)は本MSCBについてここまで複雑な転換価額修正条項を定めたのはなぜなのか、と言う点である。日興シティがそれなりの利益を得たいと思うだけならば、一般的な転換価額修正条項(毎月修正とか)を備えたMSCBを発行すれば十分ではないかと考えるのである。
 まあ、最近のMSCBへの批判から、よく知られた形式のMSCBの発行をためらったという可能性はなくもないが。

 が、小悪党たる自分としては、こう、裏で何かしらの金融商品が組成されているとか、あまりよろしくない方面の妄想を抱いてしまうのである。その方がおもしろいし。
 もっとも、仮に何らかの動きがあったとしても、かつてのアーバンコーポレーションのCBの裏に存在したスワップ契約のように、ラウンドワン自身がその動きに関わっているとまでは考えていないが。
 ・・・この点は、正直、本当に何かが裏にあるのか、それとも何もないのかも含めて何とも言えないねぇ。まあ、いつものように生暖かい目で見守りましょうということで。


 本MSCBは、転換価額修正条項の厳しさという点ではそれほど恐ろしいものではないし、時価総額から見た発行規模(希薄化の度合い)の観点でもさほど厄介な代物ではない。
 しかしながら、転換価額修正条項の複雑さという一点で裏に何かあるのではないかという不気味さを感じてしまう代物であると個人的には感じてしまった次第である。

 さてさて、真相はいかに。
 
posted by こみけ at 22:46| Comment(14) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月29日

引き続き売買停止中

 ナゴヤドームで行われた楽天-中日オープン戦2連戦の観戦と言うか応援に行った結果、応援中に何らかの理由で普段使わない筋肉を使ったらしく胴体のあちこちで筋肉痛が起きている管理人のこみけですこんばんは。
 特に、脇腹と腹筋が痛いのはなぜなのだろう・・・まあ、試合は楽天の2連勝ということで大満足なのだが。


 さて、最近の日米株式市場は強い展開が続いている。
 日本市場の上昇理由として期末対策があるといわれているのはまあいいとして、米国市場の上昇理由がいまいちよくわからない。指標面で景気回復の兆しがあることが挙げられているが、まだまだ安心するのは早いと思うのだよねぇ。
 今後は、昨年10月〜本年初めまでの落ち込みに比べればましになるのかもしれないが、金融危機前の水準までにはそう簡単には戻らないと思うのである。
 自分としては、これまでと今後の景気というか需要の動向については、
・これまでの落ち込みは好景気からの需要急減に伴う生産調整・(とそれに伴う)需要減退の面が強い
・これからは不景気下での需要の低空飛行がしばらく続く
という違いがあると考えており、今後景気がある程度回復したとしても、昨年前半くらいまでのような状態には戻らないと考えている。
 と言うことで、現在の上昇局面が今後も維持される可能性は小さいと見ている。現在の株価上昇がどの辺まで行くかはまだ想定していないが、上昇局面が終わったあとは、しばらく(秋口くらいまで?)はボックス圏での動きになるのではないかと考えている。
 もっとも、米国で大企業倒産や金融面での混乱があれば別だと思うがねぇ。


 と言うことで、株式については引き続き様子見姿勢を当面維持する予定。
 為替については、米国の金融波乱を当て込んだ円買いポジションを取ることを検討してみる・・・もっとも、それほど大きなポジションは取るつもりはないが。
 
posted by こみけ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 市況雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月15日

ジャルコ(6812)、第1回MSCBに行使制限条項等を追加する

 11日、ジャスダック上場のジャルコ(6812)は、2日に発行を発表した第1回MSCBについて、行使(転換)制限条項を追加すること、下限転換価額を4円と定めることなどの発行条件修正を発表した。プレスリリースはこちら
 また、MSCB発行に関するプレスリリースはこちら

 今回の発行条件修正については、5日に申し立てが行われたという本MSCBの行使差し止めに関する仮処分申立が影響しているものと思われる。
 ・・・発行ではなく行使の差し止めを請求しているところは興味深いが、実質的にはさほど変わらないと思われる。行使差し止めが行われれば、払い込みは行われないだろうからねぇ。
 ジャルコは、本MSCBの内容に問題があるとの勧告をジャスダックから受けたにもかかわらず、勧告を無視して発行を発表している。
 ジャルコの立場からすれば、勧告を受けた当初条件のままでは仮処分申立が認められる可能性が大きいと判断し、MSCB発行(資金調達)の実現を最優先にMSCBの発行条件修正を行ったのではないかと推測してみる次第である。

 当初、自分は本MSCBに関して、以下の問題点があると認識していた。
(1)下限転換価額が定められていないこと
(2)MSCBの行使(転換)数量制限が定められていないこと
(3)転換価額が極端に下がった場合、転換株式数が発行可能株式数を大きく上回ってしまうこと
(4)引き受け手からの繰上償還請求が、株価推移などにかかわらず発行翌日からできること(発行要項 14.(4))
(5)株式併合等が行われる場合、行使価額の調整を引き受け手が拒否できると読める条項があること(発行要項16.(8)但し書き)
(6)発行手数料として2,250万円、発行額の15%を支出するのは多すぎるように思えること
 ・・・なお、ジャスダックが問題点として挙げた『行使価額が下方にのみ修正される設定となっていること』は、良くあることなので自分としては特に問題にしていなかった。

 このうち、(1)(2)(3)については、今回の修正により解消された。
 また、(6)については、当初の『発行手数料』と言う名目から、『カタリスト株式会社に対する仲介手数料』に変更(修正?)された。仲介手数料という名目でそれだけの金額を支出することが妥当かどうかはさておき、投資家にはより詳細な情報が提供されたことになる。
 (4)については、ジャルコの経営が極めて厳しい状況にあることから定められたものと考えられ、引き受け手も本ファイナンスが高リスクな代物であると認識しているものと予想できる。
 (5)については、似た事例を07年に数例確認している(参考:バナーズ(3011)のMSCB) 。本但し書きは、簡単に言うと、株式併合で基準株価が上がったとしても、転換価額は従来のまま据え置きにする(か基準株価に合わせて上げるかを引き受け手が選ぶ)ことができるという条項である。実際に発動されれば恐るべき威力をふるうことになるが、本条項は株主総会の特別決議(株式併合承認)が必要なこともあり、実際に発動することを現時点から考えているとは考えにくい。というか考えていたら鬼。


 さて、ここまでの流れを見ると、今回の修正発表は既存株主の視点から見ればいいことばかりである。だが、会社の資金繰り上のことを考えてみると、ちょいとゆかいなことになっているのに気づけるのである。
 本MSCBの当初転換価額は15円であり、上方修正は行われない。すなわち、転換価額は15円以下である。また、行使制限条項が追加されたため、各歴月の転換可能株式数は90万2,000株(現在の発行済み株式数の10%)に制限されている。さらに、償還期限は6ヶ月後の本年9月である。
 以上より、転換されるMSCBの総額は、転換価額が最高値である15円を維持したと仮定した場合でも、単純計算で、

 15(転換価額)×902,000(各月の最大転換株式数)×6(月数) = 81,180,000(円)

となる。なお、個人的には月数を6ヶ月ではなく7ヶ月(3月、4月、・・・9月)と見なして計算すべきでないかと考えているが、『一月の行使量が最大902,000株で行使期間が6ヶ月であるため、最大で5,412,000株となり・・・』としている修正後プレスリリースの記載に従った。

 以上より、1億5000万円発行される本MSCBは、最大でも8千万円強までしか転換できないことになるのである。
 つまり、本MSCBは全額の転換は不可能となってしまったのである。言い換えると、今回の1億5000万円の社債は、MSCBと金利5%のSBが混在している状況であるとも言える。
 しかも、本MSCBは発行翌日(3月20日)から引き受け手からの繰上償還請求が認められている。たとえ発行翌日であっても、繰上償還請求を受けた場合は、発行額の20%もの諸費用を支払いようやく調達した資金の一部を5営業日後に耳を揃えて返さなければいけないのである。
 引き受け手は、転換不能なSB的部分については、早期の繰上償還請求も検討すると思われる。その場合、ジャルコにとっては償還資金の確保が重い課題になるそうである。
 調達資金の支出を3月中に行ってしまうわけだから、新たに償還資金の確保が必要なはずである。


 本MSCBの今後については、まず、現在審理中であると思われる仮処分申立が通るかどうかを見届けたい。
 申立が通れば会社側は別の資金調達手段を検討する必要が出てくるはずだし、申請が却下されればそのまま発行を行うはずである。
 むしろ、(無事に発行が行われたと仮定して)引き受け手がどんな手を使ってくるかの方が興味深い。
 引き受け手としては、まずは、転換不可能な分のMSCBを繰上償還請求するか、それとも保有継続するか(金利目当て?)の決断を行う必要があるはずである。いや、それ以前に転換が不可能な分の払込は最初から行わないという可能性もあるか・・・。
 この辺、どういう動きがあるか結構楽しみである。
 

posted by こみけ at 21:01| Comment(2) | TrackBack(0) | MSCB関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月01日

デザインエクスチェンジ(4794)、前期末現金同等物残高が0百万円になる

 デザインエクスチェンジ(4794、以下DEX)は、2月27日に08年12月期決算を発表した。
 プレスリリースはこちら

 この決算では、売上高を上回る純損失を出すなどDEXが深刻な経営危機下にあることが示されている。が、(極めて遺憾なことに)最近の新興銘柄の決算としては特に珍しいものではない。
 この決算に関して自分が注目したのは、連結キャッシュフローの状態である。
 営業CF、投資CFがマイナスとなっているため、財務CFでは補いきれず、現金が流出し、期末の現金同等物残高が0百万円となってしまったことが報告されている。
 また、連結貸借対照表を見ると、現金および預金の残高は647千円、すなわち64万7000円くらいであることがわかる。期末、経理担当者の人は大変だっただろうねぇ。
 
 現預金残高が64万7000円というのは、個人の若者としてはそれなりの金額である。だが、いくら若いとはいえ法人、しかも上場企業で見るべき桁ではない。DEXの企業規模を考えるまでもなく、明らかに運転資金が不足している水準である。
 DEXが(決算を締めた後も)1月、2月と経営を続けていることから、直後の資金ショートは回避したようであるが、このご時世の中、厳しい経営が続いているものと推定される。
 現状の改善のため、DEXが決算発表と同じ日に発表した『事業改善計画』で言及しているように、資金調達を行うのが一つの手であるのは確かである。
 しかしながら、現在の金融情勢を見る限り、DEXのような新興企業がまとまった資金(資本)調達を行うのは難しそうである。

 自分としては、DEXがこの苦境を乗り切るためにどんな手を使うのか、今後とも生暖かい目で見守りたい次第である。
 ・・・ほんとにどうするんだろう・・・。
 
posted by こみけ at 12:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 銘柄ネタ(MSCB除く) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする